「JavaScriptのイディオム集@nmi.jp」をTypeScriptでやるとどうなるの、っと

[JavaScript イディオム集 » nmi.jp](http://nmi.jp/archives/488 "JavaScript イディオム集 » nmi.jp") が、最近話題になっていますが、これらをTypeScriptでやってみました。 [「JavaScriptのイディオム集@nmi.jp」をJSXでやるとどうなるの、っと - Islands in the byte stream](http://d.hatena.ne.jp/gfx/20130706/1373144753 "「JavaScriptのイディオム集@nmi.jp」をJSXでやるとどうなるの、っと - Islands in the byte stream") というJSX版のオマージュですが、そもそもTypeScriptとJavaScriptは文法がほぼ同じなので、 どれだけ型推論が助けになるか、という視点でも見ていきます。 総じてTypeScriptでもほとんどそのまま使え、都度型推論されるのでわかりやすくなっていると思います。 <br><br> ---- - +v （数値化） <pre class="brush:js"> var v = "123"; console.log(+v + 100) // 223 console.log(v + 100) // 123100 </pre> キッチリnumberに推論されます。 <br><br> - v – 0 （数値化）TypeScript版 <pre class="brush:js"> var v = "123"; console.log((v - 0) + 100) // コンパイルエラー console.log(v + 100) // 123100 </pre> こちらはエラーになります。 <br><br> - v + "" （文字列化） <pre class="brush:js"> var n = 123; console.log(n + 123); //246 console.log(n + "" + 123); //123123 </pre> - if(v != null) （nullとundefinedのチェック） <pre class="brush:js"> var o = { value: 0 }; if(o.value != null) { console.log("value property exists"); } </pre> そのままですね。なお、stringとobjectを加算するとどんなobjectでもstringになります。 <br><br> - () => { … }(); （スコープ化）TypeScript版 <pre class="brush:js"> () => { var x = "hello world"; console.log(x); } (); </pre> TypeScriptでは使用する機会がだいぶ減りますが、使用する場合は括弧の数も減ってかなりスッキリした見た目になっています。 コンパイルするとfunctionを使った形になります。 <br><br> - && （if文の省略） - || （if文の省略） - v = v || {}（nullガード） 使うかどうかはともかく、使えます。基本的にプロパティがハッキリしているので使う機会は少ないのかなとおもいます。 <br><br> - +v || 0 （数値化、かつNaN以外を保証） 最初の例と同様、numberに推論されます。 <br><br> - v | 0 （整数化）TypeScript版 <pre class="brush:js"> var i = v | 0; // vがnumber以外の場合、コンパイルエラー </pre> 実数を整数化する場合は問題なく使えます。それ以外のobjectの場合はエラーです。 <br><br> - ~~v （整数化） そのまま使えます。 <br><br> - !! （論理化） 有効で、booleanに推論されますが、明示的にnull比較ないし0比較すべきでしょう。 <br><br> - ~array.indexOf() （配列の値探索） 使えますがbooleanに推論されるわけでもないので、素直に.indexOf() > 0なり === -1なりにすべきでしょう。 <br><br> - new Function("return this;")() （グローバルオブジェクトの取得） - function() { return !this; }() （Strict Modeチェック） - typeof(v) === "undefined" （undefinedチェック） - v >>> 0 （符号なし整数化） そのまま使えます。 <br><br> ---- <br> 言語の拡張が少ないTypeScriptでは、JavaScriptの複雑なイディオムをほぼそのまま引き継いで入るものの、 型推論によって同じ手法でもよりわかりやすく、また、型の明示によってイディオム自体が不要になる機会が増えるかと思います。